【2か月で看護師辞めて平気なの!?】
約10年の経験がある看護師の「みな」です。
実は私は新卒2か月で総合病院を退職しています。
そんな私でも今も一丁前に看護師を現役で続けています。
今回は、私がなぜ2か月という超短期間で新卒で入った病院を辞めてしまったのか、そしてその後どうやって10年という期間看護師でやってこられたのかをお伝えしようと思います。
【新卒2か月で退職したリアルな体験】
【パワハラ、残業代未払い、不眠で倒れ適応障害に】
なぜ2か月という短期間で辞めたかというと、理由は今でいう「パワハラ」があったから。
ほかにも残業代未払いの問題もありました。
まともに食べられず、眠れない日々が続き、ついに病棟で倒れてしまいました。
原因は自分でもはっきりしているので「内科」ではなく「精神科」に行きました。
診断は「適応障害」
その後も体調を押して出勤していましたが、今度は高熱が出るように。
限界に達し、2か月という短期間で辞めざるを得なくなってしまいました。
【社会復帰は単発派遣から】
その後、数週間くらいは体と心を休ませることに専念しました。
ですが、いつまでも休んでいられるわけではありません。
私はまだ看護師として続けたかったし、いきなり全く違う仕事をする勇気はなかったので、自分にも出来る仕事を探しをしました。
最初から正社員でまた失敗したら…という不安もあったので、まずは社会復帰の第一歩として、単発の派遣を選びました。
【単発派遣で見えた新たな看護師の可能性】
【こんな自分に出来る仕事なんてあるのか!?】
派遣会社の方に自分のしょぼい経歴をみせて、「こんな私にも出来る仕事なんてあるんでしょうか。」と伝えると
「数は限られますけど、ありますよ。」とのこと。
実際、新卒でも出来る仕事がそれなりにありました。
デイサービスでのバイタルチェック、入浴、食事の一部介護業務や健診センターでの血圧、身長、体重測定、腹囲測定、視力、聴力検査などです。
時間はあったのでいくつかの単発派遣を掛け持ちしていました。
【健診やデイサービスでの派遣で信頼獲得】
単発派遣をしてしばらくすると
「〇日も依頼があるんですが、水無さん、入れますかね?」と派遣元から連絡が来るようになりました。
定職についていない私には渡りに船の状態。
そこで、とあるデイサービスと健診センター業務で連日バイトさせてもらうことになりました。
こうして何回か入らせてもらうと派遣先からも信頼されるようになります。
派遣先も同じ人が来ると一からマニュアルを説明しなくても良かったりするので、重宝がられることがあります。
【すべてのことを自分の力に変える】
【どんなことにもチャレンジする】
とはいえ、血圧や身長が測れるだけでは今後看護師としてやっていくにはちょっと物足りません。
ある日、健診センターの方から「採血やってほしいな」と言われました。(※ちなみに採血が出来ると時給が上がることが多いです。)
しかし2か月で病院を辞めてしまった私は、実際の患者さんに採血をした経験がありません。
そこで、恥を忍んで派遣先に私の経歴をお伝えし(※多くの場合、派遣先に自分の細かい経歴が伝わっていることはありません。)
「もし、教えていただければ一生懸命頑張りますので是非採血の手技を教えていただけないでしょうか。」と伝え、採血技術を指導頂きました。
試験をしてもらい、先輩看護師に施行し合格を頂きました。
いざ実際の患者さんに施行。
最初は緊張しましたがだんだんとスムーズに出来るようになりました。
大きな会社の健診などでは多いと1日に100人単位の採血をします。
やっていくうちにもはや採血マシーンのようになっていきます。
技術はやればやるだけ上達します。
大中小様々な規模の企業、老人ホーム、保育園いろいろなところに出張健診に行きました。
上は北海道、下は九州まで出張健診に行きました。
だんだんと自分の方が「代わってください。」と頼まれるほどになりました。
これで「採血」はかなりの自信になりました。
【「また来て欲しい」と言われるまで】
一方のデイサービスでも十分学びはありました。
デイサービスには利用者さんの簡単なカルテのようなものがあります。
カルテを許可のもと閲覧し、今日みえる利用者さんがどんな病歴なのか把握します。
業務としては血圧測定や入浴の介助ですが、見慣れない病名や「これ、なんだっけ?」と思うものをどんどんと持ち込んだメモ帳に記します。
その病気について、休憩時間や自宅に帰ってからの時間を使い調べ、自分なりの勉強ノートを作成しました。
例えば脳梗塞などで右半身に麻痺がある方がいたら
「あの方にはお茶を左側においてあげると良いんじゃないかな。」
「トイレに行きたいときは右側を支えてあげるといいんじゃないか。」
「インスリン注射したら揉んじゃいけないのってなんでだっけ。あとで調べよう。」
といった具合で勉強と実践を結びつけ、自分なりに学習をさらに深めていきました。
そんなちょっとしたことをやっていると施設の方からも
「へー。看護師さんってすごいんだね。」
と言われたりするようになり、「また来てね。」とか「うちに就職したら良いのに。」といった嬉しい言葉が頂けることもありました。
何事も勉強→実践していったのです。
絶望しかなかった日々に光が差してきて、看護師という仕事をもっと頑張ってみたいな、自分にも人の役に立つことってあるんだと前向きになっていきました。
【経験の浅い看護師が注意すること】
【スキル申請に嘘は厳禁!!】
派遣会社には自分が出来るスキルを申請する場合が多くあります。
そこには仕事が欲しいからと言って嘘を書いてはいけません。
本当に自信をもって患者さんに出来るスキルを書きましょう。
例えば、実際に私の場合は医療行為が多くある施設には常勤看護師の方と一緒に勤務出来るところに限定しました。
デイサービスで働く方は看護師以外は基本的に医療従事者はいません。
なので、インスリンや胃ろう、腸瘻、酸素ボンベ等、さまざま医療行為に関する何らかのトラブルがあったとき、まず相談されるのが看護師です。
また何よりその処置が出来るのは資格上看護師の専権事項なので、ここは自分を大きく見せず、責任をもってやれる範囲の仕事を選びましょう。
ここで変に虚偽申請をして、利用者さんの命に万が一のことがあったら、せっかく自分の心と体を守るために仕事を辞めたのに、元も子もなくなってしまいます。
単発とはいえ、あくまで「仕事」
自分のやれる範囲で安全にやり、そのうえですべての経験を力に変えましょう。
【学びを深める】
【派遣会社主催の研修を活用しよう】
上記のほかにも独学だけではさすがに不安だったので、看護協会や、派遣会社が主催している勉強会、研修に参加しました。
派遣会社も「ブランクナース向け」とか「採血研修」「褥瘡処置」等独自にいろいろな項目で研修を開催しています。
こういった研修に参加することでますます勉強意欲が増し、きちんと新卒期間をこなしている看護師にも引けを取らなくなります。
つまり、病院だろうが、デイサービスだろうが、常勤だろうが、派遣だろうが、やる気とやり方次第で知識、技術は身につけられるのです。
【もうダメかもと思っているあなたへ】
【最低限のスキルがあればどこでも働ける】
私はこの時の経験が礎となって、その後クリニック、介護施設、訪問看護などで経験を積みました。
今や人に教える側になっています。
これまで何度も「看護師なんて辞めたい」と思ってきましたが、看護師資格は間違いないく有益な資格です。
1番上を目指す必要はないですが、最低限これだけは出来なきゃっていうところだけでも身に着ければどんなところでも働けます。
【今は辛くてもきっとどこかで花開く】
皆さんも今は希望なんてないかもしれませんが、一度今の場所を抜けて体を休めながらゆっくりいろんな業態の看護をやってみてはどうでしょうか。
「もう看護師なんていやだ」と思っていても意外と
「あれ?楽しいかも。」って思える可能性があります。
無理なく、それぞれが置かれたフィールドでほどほどに頑張りましょうね。
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