「自分てブスなのか」
「一生独身ってやばいのかな」
「親ガチャ外れたからこんな人生なんだ」
そんな“ざわざわする心”に、ヨガ哲学がじんわり効く。
今回は、忙しくて、疲れて、自己嫌悪に陥りがちな現代人のために、
日常でふと立ち止まりたくなる3つのヨガ哲学を紹介します。
スヴァダルマ(自分自身の本分)
いつの間にか「美容整形が普通」になった社会
「美容整形は自己肯定感を高めるための選択」と言われる時代。
もちろん、それで生きやすくなる人もいます。
でも一方で、「誰かに好かれる顔」「映える顔」を目指して整形を重ねる人も。
それって、自分の“本来の願い”じゃなくて、 他人の評価軸に沿った“外から与えられた理想”では?
スヴァダルマ=自分の人生を自分で選ぶこと。
これにはもう少し先があって
「他人をまねるのではなく、たとえ不完全でも自分の本分を生きることこそが本物である」と説いています。
女性のあるあるといえば結婚や出産もそうでしょう。
「結婚しないと寂しい」
「子どもいないと老後不安」
「30歳までには結婚」
「ずっと独身てやばい」
「家庭を守るのが一人前の男だ」とか
ルッキズムも結婚・出産の話しも、共通しているのは
自分自身ではなく、周りや世間の価値観に合わせてしまっていること。
自分が基準ではなく「この方が良いらしい」とか「こっちの方がウケるらしい」
これが価値基準では心が苦しくなってしまいます。
今風の顔じゃなくても、独身でも自分自身が豊かであればいいのです。
「みんなそうだから」が正しい価値観とは限りません。
ヨガ哲学では「あなたはあなたの道を生きよ。」と説いています。
どんな容姿でも、どんな肩書でも、自分自身の道を生きている人の方が魅力的なのは間違いありません。
サントーシャ(足るを知る)
「私はユニクロだって高いのに、ブランド物をいつも持っているあの子」
「あの子は親が金持ちなのに自分は親ガチャに外れた」
「自分は家賃を払うのに精一杯なのに、さりげなくタクシーを使うあの子」
私自身も20代のころはそんなことばかり思って親を恨んだりもしました。
でも、「サントーシャ(足るを知る)」の言葉を知ってから心が軽くなりました。
無いものを数えたら無限なんです。
そして無いものを数えていたら疲れてしまったんです。
特に親ガチャなんて努力ではどうしようもないもの。
でも、自分を健康に生んでくれた両親
とりあえずまともに生きていける良識を備えてくれた両親
そう考えたらこれでもう十分ではないかと。
ブランド物も、お金持ちも、一等地に住むことも「いいなー」とは思うけど
コンビニスイーツおいしいし
ユニクロって気兼ねなく買い物できるし
下町ってシ〇ネルはないけど、スーパー、ドラストいくらでもあって便利だし
私ってこんなに足りてたんだ。って思ったんです。
もうあることに気づいたら生きるのが楽になりました。
チッタ・ヴリッティ・ニローダ(心の作用を止める)
ヨガのレッスン経験がある方はわかるかと思うのですが、
ヨガではよく「誰とも比べない」とインストラクターが教えることがあります。
筋トレやスポーツは「もっと早く」「もっと負荷をかけて」「もっと強く」
という概念ですが、本来ヨガはスポーツやエクササイズではないので
体の柔軟性、年齢、体型は全く関係ありません。
ポーズ(アーサナ)を通して「自分自身を見つめる」というのが主軸となっています。
現代では心がざわつくことが多いですよね。
SNSなどのキラキラな価値観に惑わされないことも大事ですが、
昨今、世界を取り巻く環境は様変わりし、また悲しいニュースも多く目にします。
しかし、そんな時もひっぱられ過ぎないように心の波を整えましょうとヨガ哲学は説いています。
間違われやすいのですが、冷徹になるとか無反応になれということではありません。
例えば
通り魔事件のニュースがあったとして
〇「怖い、と感じてる。うん、怖い。でも、外に出ないわけに行かない。落ち着かないな。」→ここでとどまるならOK
×「怖い…もう外に出れない」「全員怖く見える」「日本終了」→感情に飲まれ過ぎていて×
もっと簡単に例えると
〇「今日は雨だな」って気づくだけならOK
×「うわ雨だ。最悪、もう何もかも嫌、人生終わり」と感情に巻き込まれるのは×
「悲しい」「いいな」「ずるいな」いろいろな感情が起きてもOK。
そういったざわついた感情を受け止めて、
その下にある“本質”(その出来事の背景、自分の価値観、本当に望んでること)を
見抜きましょうということなんです。
それがチッタ・ヴリッティ・ニローダです。
この章の最初にヨガインストラクターは「誰とも比べない」とよく教えると書きましたが、つまり、「かっこいいポーズを取ろうとしない」「無理に体を伸ばしたりしなくていい」
そんなことに気をとられていては「心に波が立って、ざわついてしまうよ。」
ということです。
ヨガではポーズをとりながらチッタ・ヴリッティ・ニローダ(心を鎮める)の訓練をしていると言っても過言ではありません。
まとめ|呼吸のすごい力
ここまで身近なエピソードを通してヨガ哲学を紹介してきましたが、
そうは言っても「比べちゃうよ」「頭ではわかるけど」という方も多いのではないでしょうか。
では、心がざわついたときの必殺技を教えます。
呼吸です。
「え?」と思った方、本当なんです。
よく「自律神経を整えよう」といわれますが、
人間が唯一自律神経を意識的に整えることが出来る手段
それが
「呼吸」です。
ネガティブでもポジティブでも、いろいろな感情がワーッと沸いたときにこそ
呼吸してください。
私は楽しい飲み会の時なんかに途中で呼吸して飲みすぎを防止していますw
呼吸をすると交感神経(興奮)と副交感神経(リラックス)が整い、落ち着きます。
人間のメカニズムはそう出来ているのです。
出来れば腹式呼吸がいいでしょう。
吸った時におなかを膨らませて、履くときはおなかをしぼめる。
腹式呼吸は心を落ち着かせるリラックス作用があります。
ヨガ哲学(インド)だけじゃなく、仏教(禅)にも呼吸が大切と説いています。
ヨガは瞑想、禅は座禅がありますが、
呼吸をすることで「今ここ」に集中すると同じことが言われています。
不思議だし、なんか面白いですよね。
つまり、「呼吸」が自分を落ち着かせる一番身近な手段ということです。
ヨガでも禅でも、「呼吸」は心を沈めるためのいちばんの道具。
ニュース、SNS、人間関係──
外の世界がどんなにざわついても、呼吸で自分を整える
ヨガ哲学を頭に浮かべて呼吸をして、ゆるっと楽に生きていきましょう。
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